当社の熱供給システムは、RDF(ごみ固形化燃料)および、ごみ焼却廃熱で暖房・給湯をはじめ、ロードヒーティングや冷房などの熱源を製造・供給しています。
厚別地区、真駒内地区ともに、高温水による熱供給システムを採用しています。厚別地区ではRDFを主な燃料とし、真駒内地区では札幌市駒岡清掃工場のごみ焼却廃熱を熱源としており、家庭ごみや廃材などの廃棄物を熱源として活用できるシステムとなっています。
厚別地区は、操業当初から隣接する札幌市厚別清掃工場のごみ焼却廃熱を熱供給の熱源として有効利用してきました。
しかし、近年のごみ量の減少と新清掃工場の建設により、厚別清掃工場は平成14年をもって廃止されました。
そこで、熱供給の新たな熱源として採用することとなったのがRDFです。
RDFとは、"Refuse Derived Fuel"[ごみから得られた燃料]のことです。
ごみは、一般的には清掃工場で焼却したり埋め立てたりしますが、そういった焼却・埋め立てを行わず、乾燥・圧縮・成型することで固形化し、燃料化したものをRDFと呼んでいます。
当社が燃料として使用するRDFは、一般的な都市ごみ(生ごみなどを含む)を原料とするRDFとは違い、紙くず・木くず・廃プラスチック等の資源化ごみを原料として、札幌市の資源化工場で加工した、均質で水分や灰排出の少ないRDFです。
また、ダイオキシンの発生に関与する総塩素についても、ほかで使用されているRDFと比べると1/2以下と非常に少なくなっています。
真駒内地区では駒岡清掃工場のごみ焼却廃熱を熱源として利用しています。
家庭から集められたごみは、清掃工場に運ばれ、焼却炉で燃やされて処分されます。
このとき発生した熱を利用し、焼却炉と一体化された廃熱ボイラーによって蒸気をつくります。
蒸気は地域暖房用のほか、発電用、工場内使用などに分けられ使用されます。
地域暖房用の蒸気の熱エネルギーは、熱交換器によって、供給地区で冷やされて戻ってきた温水を温めるために使用されます。
熱エネルギーを使われた蒸気は温度が下がり、温水となって清掃工場に戻り、廃熱ボイラーを循環してまた蒸気となります。
このシステムで、一般家庭40戸から出るごみを1戸の暖房・給湯で使用する熱に変えることができます。
- ①エネルギーセンター
- 当社では、熱源施設と、熱交換器を備えた熱製造メインプラントをあわせてエネルギーセンターとしています。厚別と真駒内の2つのセンターがあります。
- ②RDFプラント/熱交換施設(清掃工場内設置)
- ③メインプラント
- プラントには、蒸気及び熱源水を受け入れ、140℃の高温水を製造する熱交換器、追い焚き用ボイラーや高温水を各供給先へ送出する循環ポンプなどが設置されています。熱源としては、厚別地区はRDF、真駒内地区は駒岡清掃工場のごみ焼却廃熱を利用しています。
- ④中央監視室
- メインプラントに設置され、地区全体の運転状態、高温水の供給温度、圧力、流量、熱量、排出ガスの状況など、総合的に現在のシステム状態・運転状態を把握し、効率的な運転を行っています。 厚別エネルギーセンターの中央監視室では、真駒内エネルギーセンターの遠隔監視も行っています。
- ⑤サブステーション
- エネルギーセンターから送られる高温水を、温度や流量を調節し、お客さまの一戸一戸にお届けする中継施設です。
- ⑥サブプラント
- エネルギーセンターとお客さまの中継点の役割を果たすとともに、ボイラー設備を備え高温水の温度管理を行います。厚別では副都心団地に、真駒内では南町と柏丘団地に設置されています。
- ⑦熱供給導管
- 高温水を循環させて熱供給を行うために、地中に埋設された専用の管。腐食や土圧から守るために供給管(内管)を保護管(外管)で覆う密閉二管式という二重構造になっています。
- ⑧集合住宅設備
- 集合住宅の暖房は、サブステーションで90℃に調節された温水を各住戸の放熱器を通過させることによって行います。給湯は、各住棟の機械室で水道水を60℃に温め、各住戸の台所、洗面所、浴室などに供給します。真駒内の集合住宅の一部では、ロードヒーティングにも利用されています。
- ⑨商業・業務・公共施設設備
- サブステーションを経由せず、直接140℃の高温水を供給しています。お客さまの施設に設置された熱交換器で暖房・給湯・融雪用に、また吸収式冷凍機で冷房に利用されています。